職種別プロンプト実例集|営業・事務・企画でそのまま使える書き方
著者:galiverman.jp 管理人|公開日:2026年7月10日|最終更新日:2026年7月17日
「プロンプトの書き方」を学んでも、いざ自分の仕事に当てはめようとすると手が止まる。そんな人は少なくありません。原因はシンプルで、抽象的な原則だけを知っていて、自分の職種に合った「実例」を持っていないからです。この記事では、営業・事務・企画の3職種について、明日そのままコピペして使えるプロンプト例を紹介し、それを「自分専用」に育てていく方法まで解説します。
プロンプトは「テンプレを自分用に育てる」のが正解
まず押さえたいのは、プロンプトを毎回ゼロから書く必要はないということです。料理でレシピを見ながら作るのが恥ずかしくないのと同じで、プロンプトも「うまくいった型」を持っておき、状況に合わせて材料だけ差し替えるのが最も効率的です。
よくある失敗は、「良いプロンプトを一発で書こう」と気負ってしまうことです。実際には、たたき台のテンプレを投げて、出てきた答えに注文をつけて、直った指示を次回のテンプレに反映する。この繰り返しで、プロンプトは道具として育っていきます。以下の実例は、その「最初のたたき台」として使ってください。
営業職の実例:メール・提案書・想定質問
営業の仕事には「相手に合わせて文章を作る」場面が多く、生成AIとの相性は抜群です。まずはアポ依頼メールから。
・相手:製造業の総務部長。過去に展示会で一度名刺交換のみ
・目的:勤怠管理システムの紹介で30分の打ち合わせを打診
・トーン:丁寧だが堅すぎない。売り込み感を出さない
・制約:300字以内。件名案も3つ出す
ポイントは「相手との関係性」「目的」「トーン」「制約」の4点を必ず入れることです。次に提案書のたたき台です。
・相手の課題:ドライバー不足、事務作業の残業
・構成は「課題整理→解決の方向性→導入効果→費用→スケジュール」の順
・各スライドに入れる要点を箇条書きで
さらに商談前には「あなたはこの提案を受ける側の慎重な決裁者です。この提案に対して厳しい質問を10個挙げてください」と依頼すれば、想定質問リストが手に入ります。反論への準備を一人でリハーサルできるのは大きな武器です。
事務職の実例:議事録・校正・Excel相談
事務職では「形式を整える」「間違いを見つける」タスクが中心になります。定番は議事録の要約です。
・形式:「決定事項」「持ち越し事項」「担当者とやること(期限つき)」の3セクション
・発言者の名前は残す。雑談部分は省略
・不明瞭で確認が必要な箇所は【要確認】と印をつける
(ここに会議メモを貼り付け)
文書の校正やトーン調整も得意分野です。
・誤字脱字と敬語の誤りを指摘(修正理由も添える)
・トーンは「事務的すぎず、でも軽すぎない」に調整
・修正前と修正後を並べて表示
(ここに文章を貼り付け)
Excelでつまずいたときは、「A列に日付、B列に金額が入っています。月ごとの合計を別シートに出したい。関数の書き方と、なぜその関数を使うのかを初心者向けに説明してください」のように、データの構造とやりたいことをセットで伝えるのがコツです。エラーが出たら、エラーメッセージをそのまま貼り付けて相談すれば解決が早まります。
企画職の実例:壁打ち・構成案・ターゲット深掘り
企画職にとってAIは「24時間付き合ってくれる壁打ち相手」です。アイデア出しでは量を出させるのが基本です。
・まず切り口の異なるアイデアを20個、質より量で出してください
・その後、実現しやすさと意外性の2軸で上位5つを選び、理由を添えてください
企画書の構成案なら「この企画を役員会で通したい。承認する側が知りたい順番で構成を組み、各章で答えるべき問いを書いてください」と頼むと、読み手起点の骨子が返ってきます。ターゲット像を深掘りしたいときは、次のような依頼が有効です。
このペルソナとして、宅配弁当サービスに感じる魅力と不安を、本音ベースで語ってください。
そのあと、私が用意したキャッチコピー案への率直な感想を聞かせてください。
AIに人格を演じさせて対話する方法は、一人では気づけない視点を引き出すのに向いています。ただし出てくるのはあくまで「もっともらしい仮説」なので、最終判断の材料は実際の顧客の声で裏づけましょう。
実例を「自分用」に育てる3ステップ
ここまでの実例はあくまで汎用品です。次の3ステップで、自分専用の道具に育てていきます。
- ①前提情報を足す:自社の業界、商品、社内ルール、よく使う言い回しなどをテンプレの冒頭に書き足す。前提が増えるほど出力は具体的になります
- ②出力形式を指定する:「表で」「箇条書き5点で」「300字以内で」など、そのまま業務に貼れる形を指定する。後工程の手直しが激減します
- ③ダメ出しを次回に反映する:「もっと柔らかく」と直させたなら、次回から最初に「柔らかいトーンで」と書いておく。修正指示をテンプレに吸収するのが育成の本体です
育てたテンプレはメモアプリなどに職種別・用途別でストックしておきましょう。3か月も続ければ、あなたの業務に最適化されたプロンプト集ができあがり、それ自体が周囲と差がつく資産になります。
【実例】筆者が議事録プロンプトを3回改良するまで
テンプレを「育てる」感覚を具体的に伝えるために、筆者自身の例を紹介します。筆者はIT業界でシステム開発に携わっており、週1回の開発定例の議事録当番が長年の小さな悩みでした。最初にAIへ投げたのは「この会議メモを議事録にまとめて」という一文だけ。返ってきたのは会議の流れをなぞった長い要約文で、肝心の決定事項がどこに書いてあるのか、探し直す始末でした。
2回目の改良では「決定事項・持ち越し・タスク」の3セクション形式を指定しました。形は一気に整いましたが、今度は担当者の名前が抜けたり、口頭では曖昧だった期限をAIがもっともらしく補ってしまう問題が残りました。そこで3回目の改良で「読み取れない箇所は推測せず印をつける」というルールを足したのが、現在も使っている次の版です。
▶ 実際に使ったプロンプト(コピペ可)
あなたは開発チームの議事録係です。 以下の会議メモを議事録に整えてください。 ・形式:「決定事項」「持ち越し事項」「タスク(担当者・期限つき)」の3セクション ・担当者や期限がメモから読み取れない場合は、推測せず【要確認】と書く ・課題管理番号(ABC-123のような形式)はそのまま残す ・全体で600字以内。雑談部分は省略 (ここに会議メモを貼り付け)
この版に落ち着いてから、体感で40分かかっていた議事録整理が10分ほどになりました。振り返ってポイントだと思うのは、3回の改良がすべて「出力への不満」から生まれていることです。長くて読めない→形式を指定する、勝手に補われる→【要確認】ルールを足す。不満をひとつずつ指示の一行に翻訳していけば、テンプレは誰でも確実に育てられます。
まとめ:コピペから始めて、改良で差をつける
プロンプトは才能ではなく、蓄積です。まずは今日、この記事の実例をひとつコピペして、自分の業務の固有名詞に差し替えて試してみてください。出力に不満があれば、その不満こそが次のテンプレ改良のヒントです。「借りた型を育てて自分の型にする」。この地道なサイクルを回せる人が、AI時代に仕事を速くしていく人です。